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あなたの不安の原因と解消法|脳のしくみから日常習慣まで

ストレスの話

毎日のタスクを懸命にこなしているのに、不安が消えない。

明確な理由があるわけでもないのに、胸がざわざわする。

夜寝る前に昼間の出来事をあれこれ考えすぎてしまう。

そんな不安には理由があります。

心の弱さではなく、脳や体のしくみが関係しているのです。

この記事では、不安の原因となる脳と体のしくみを整理したうえで、日常でできる解消法をわかりやすくまとめます。すべてを一度に変える必要はありません。「これなら今日から試せそう」と思えるものを、ひとつでも見つけてもらえたら十分です。


不安はなぜ起こるのか(脳のしくみから考える)

不安とは、脳が「危険かもしれない」と判断したときに起動する、いわば体の警報装置です。本来は身を守るための反応であり、誰にでも備わっているものです。

問題は、この警報が実際の危険とは無関係に、慢性的に鳴り続けてしまうケースです。その背景には、大きく2つの要因があります。

1. セロトニンの低下

セロトニンは「心の安定に関わる神経伝達物質」です。脳内で十分に分泌されていると、気持ちが落ち着いていられます。ところが、睡眠不足・食事の乱れ・日光不足・運動不足などが重なると、セロトニンの分泌量が減少し、不安や焦りを感じやすくなります。

2. ストレスホルモンの過剰分泌

仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを受けると、体はコルチゾールというホルモンを分泌します。これ自体は自然な反応ですが、慢性的なストレス状態が続くと、コルチゾールが高い水準で出続け、不安感が常態化してしまいます。

つまり不安の多くは、「意志の問題」ではなく「脳と体の状態の問題」です。そう捉え直すだけで、少し気持ちが楽になりませんか。


不安を和らげるヒント①:食事でセロトニンを整える

セロトニンは食事から補うことができます。鍵になるのがトリプトファンという必須アミノ酸です。

トリプトファンはセロトニンの原料で、体内では合成できないため、食事から摂取する必要があります。含まれる食材の例は以下の通りです。

  • バナナ
  • 豆腐・納豆・味噌などの大豆製品
  • 牛乳・ヨーグルトなどの乳製品
  • 鶏むね肉

ポイントは、トリプトファンを炭水化物と一緒に摂ることです。炭水化物がインスリンを分泌し、トリプトファンが脳へ届きやすくなります。朝食に「バナナ+ヨーグルト+ごはんまたはパン」を組み合わせるだけで、手軽に実践できます。

完璧な食事をつくる必要はありません。今の食卓に「一品足す」感覚で十分です。

食事と不安の関係については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
→ 関連記事:不安と食事の関係


不安を和らげるヒント②:日常習慣で自律神経を整える

食事と並んで効果的なのが、毎日の習慣の見直しです。大げさな変化は必要ありません。3つの習慣を紹介します。

朝日を浴びる

起床後に朝日を浴びると、セロトニンの分泌が促されます。目安は15〜30分。外に出なくても、カーテンを開けて窓際に座るだけでも十分です。

体内時計がリセットされることで、夜の睡眠の質も上がり、不安が翌日に持ち越されにくくなります。

呼吸法を試す

不安を感じたとき、意識的にゆっくり呼吸するだけで、自律神経が副交感神経優位に切り替わります。

簡単にできる「4-7-8呼吸法」を試してみてください。

  1. 4秒かけて鼻から息を吸う
  2. 7秒息を止める
  3. 8秒かけて口からゆっくり吐く

これを2〜3セット繰り返すだけです。場所を選ばず、今すぐできます。

体を動かす

運動には、セロトニンを増やす働きに加え、BDNF(脳由来神経栄養因子)を分泌させる効果があります。BDNFは脳の神経細胞を守り、ストレスへの耐性を高める物質です。

「激しい運動をしなければ」と思う必要はありません。1日20分のウォーキングでも、継続することで確かな変化が生まれます。

運動と不安の関係については、こちらの先行記事もあわせてご覧ください。
→ 関連記事:運動で不安を減らす方法


不安と「うまくつき合う」という視点

不安をゼロにすることは、現実的ではありません。

大切なのは、不安を「なくす」ことではなく、不安に振り回されない状態をつくることです。

脳のしくみを知り、食事・呼吸・習慣を少しずつ整えていく。その積み重ねが、不安と上手につき合う力になっていきます。


今日からできる小さな一歩

この記事で紹介した内容の中から、今日試せそうなものをひとつだけ選んでみてください。

  • 朝食にバナナを追加する
  • 起きたらカーテンを開けて窓際に5分座る
  • 不安を感じたら4-7-8呼吸法を2セット試す

全部やろうとしなくて大丈夫です。一歩が、次の一歩につながります。


まとめ

  • 不安の多くは、セロトニン低下やストレスホルモンの過剰分泌など「体のしくみ」が関係している
  • 食事(トリプトファン)・朝日・呼吸法・運動の4つが、日常でできる主な対策
  • 完璧を目指さず「今日ひとつだけ」の姿勢で続けることが大切

それぞれのテーマをさらに深掘りした記事を順次公開していきます。気になるテーマからご覧ください。

  • 不安の原因と解消法(本記事)
  • 不安と食事(ストレスホルモンについて)
  • 不安を和らげる生活習慣(呼吸法・朝日・運動を統合)

参考文献

セロトニンと不安

  • Lowry CA et al. “The serotonergic system and anxiety.” Neuropsychopharmacology, 2005.
    セロトニン系が不安のコーピング反応を調整しており、その機能不全が不安障害の一因となることを示した研究。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15001810/
  • Nikolaus S et al. “The role of serotonin in depression and anxiety.” Journal of Neural Transmission, 2009.
    うつ・不安障害におけるセロトニン受容体サブタイプの役割を神経画像研究から包括的にレビューした論文。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19698674/

ストレスホルモン(コルチゾール)と不安

  • Hellhammer J et al. “Study of the stress response: role of anxiety, cortisol and DHEAs.” Journal of Neural Transmission, 2001.
    ストレス応答においてコルチゾールと不安が相互に影響しあうことを示した研究。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11972140/
  • Goodyer IM et al. “An investigation into the relationship between salivary cortisol, stress, anxiety and depression.” British Journal of Psychiatry, 2003.
    唾液中コルチゾール値とストレス・不安・うつの間に有意な相関があることを示した研究。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12581685/

トリプトファン・食事とセロトニン

  • Höglund E et al. “Mood, food, and cognition: role of tryptophan and serotonin.” Current Opinion in Clinical Nutrition & Metabolic Care, 2015.
    食事由来のトリプトファンがセロトニン合成を介して気分・認知機能に影響することをレビューした論文。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26560523/
  • Kikuchi AM et al. “A systematic review of the effect of L-tryptophan supplementation on mood and emotional functioning.” Journal of Dietary Supplements, 2021.
    L-トリプトファンの補給が健常者の気分・感情機能を改善することを示したシステマティックレビュー。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32272859/

朝日・セロトニン・概日リズム

  • Lambert GW et al. “Effect of sunlight and season on serotonin turnover in the brain.” The Lancet, 2002.
    脳内セロトニン産生量が明るい日光の持続時間と直接相関することを示した研究。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12480364/
  • Ciarleglio CM et al. “Interactions of the serotonin and circadian systems.” European Journal of Neuroscience, 2011.
    セロトニン系と概日リズム系が相互に連携しており、その乱れが気分障害に関与することを示したレビュー。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21963350/

呼吸法と自律神経

  • Jerath R et al. “Physiology of long pranayamic breathing.” Medical Hypotheses, 2006.
    深くゆっくりした呼吸が自律神経系を副交感神経優位に切り替えるメカニズムを解説した論文。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16624497/
  • Magnon V et al. “Benefits from one session of deep and slow breathing on vagal tone and anxiety.” Scientific Reports, 2021.
    1回の深呼吸セッションでも迷走神経トーンが高まり、不安が有意に低下することを示した研究。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34588511/

運動・BDNFと不安

  • Szuhany KL et al. “Assessing BDNF as a mediator of the effects of exercise on depression.” Journal of Psychiatric Research, 2020.
    運動によるBDNF上昇がうつ症状改善の媒介因子として機能することを示した研究。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32065946/
  • Mura G et al. “Exercise improves depression through positive modulation of BDNF.” Journal of Psychiatry & Neuroscience, 2023.
    20年間・100本の論文を横断し、運動がBDNFを介してうつ・不安を改善することを示したレビュー。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36969600/

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